向精神薬の功罪
更新がすっかり三日坊主になったのは薬のおかげで辛くなくなったから。
今まで毎日毎日夜中が辛くて、ありえないほど苦しくて
その旨をカウンセラーさんに伝えるとなんとか理由を掘り下げようとしてくれるんだけれど
正直これといった具体的な理由がないからどうしようもなかった。
確かにつらくなる理由はある、前の記事とかで散々述べた通り。
でも夜中になるとそれらがなぜか重みを増して私にのしかかってくる。
それはなぜだかわからない。
それで二、三週間くらい前、
大学併設の精神科に行ってワイパックスを何錠かもらってきた。
これは中学高校時代にもお世話になっていた薬で
当時も同様の症状で悩んでいてバカバカ飲んでいた。
ぶっちゃけODも何度もした。
久しぶりに飲んでみるとやはり効果てきめんで驚いた。
日が暮れ始めて「つらさが来る」と感じたとき、
もしくはふとしたきっかけで病みそうになったとき、
(鏡の中の自分が不細工だとか、あの子が毎日充実していて私の事なんかどうでもよさそうだったとか、大好きなサークルの先輩が私以外の一年と仲良くしてるときとか)
考えるのをやめて一錠煽る。
そうすると、いつもだったら死ぬほどつらくて胸が締め付けられて吐きそうになってたのがウソのようにケロっと過ごせる。
このおかげで夜も乗り越えられるようになったし、
あの子のことを考えて泣くこともなくなったし、
首吊りごっこもしなくなった。
もちろんプラセボもあると思うけど、「つらさをコントロールできる」ってことが何より心強い。
でも不思議なのは
「つらくない」だけで「つらさがなくなる」わけではないこと。
「つらさがある」というのは頭が理解しているんだけど、
「つらい」気持ちだけが追い付いてこない感じ。
この感覚がなんだか気持ち悪い。
つらいはずなのにつらくない。
つらくなくちゃいけないはずなのに。
妙に冷静になって自分を外から見てるような気分。
「友達いないし、誰からも愛されてないし、学校生活もうまくいかないし、あの子に振り向いてもらえるわけないのにずーっと想ってるし、つらいことこそ山ほどあれ良いことなんて一個もないし......」っていつも通り自分を分析して、
そしたらいつも通りつらくてたまらないはずなのに、つらくない。
おかしい、自分が自分じゃないようで。
胸の中で燃えるあのつらさがないのはおかしい。
自分から何かが剥離していったみたいで、空っぽになったみたいで、不安。
でもその不安さえも薬が打ち消してくれるから
空っぽになった自分だけが、ただ本当にそれだけが残る。
多分つらさは一種のアイデンティティだったり、
何かの実感だったりしたんだと思う。
感情は自分が感じたストレスとか体調のフィードバックだから、
それは自分が自分として在ることの実感、さらには証明みたいなもの。
だからそれがなくなるとなんだか、
スカスカになったような、
抜け殻になったような気持ちになってしまう。
そして実感を伴わないまま毎日が過ぎていく。
薬を飲んでから一週間がありえない速さで過ぎていくようになった。
常に今が何曜日なのかよくわからない、何時なのか、平日なのか休日なのか。
毎日を過ごすというより、時間が私の中を通過していくような感じがする。
空洞になったみたい。
薬を飲んでつらくなくなったのは確か。
でも飲む前と後、どっちが「楽しかったか」「面白かったか」と聞かれたら
それは確実に前。たとえつらかったとしても。
今はもうなんていうか
無
楽しくないしつらくもない
なにもない
楽しくないことがつらいとも感じないし
それゆえに、「楽しくなろう」「幸せになろう」とも思わない
何かつらいことがあっても「どうでもいいや」ってなっちゃう
つらさを受け流せるから思考停止できちゃう
空洞ですね
僕の心を薬が奪い去った
俺は空洞 でかい空洞
すべて残らず薬が奪い去った
俺は空洞 面白い
面白くない
さっき飲んだのが回ってまいりました
いろいろよくわからない
どうでもいいや
早速だけどさいきんにかけて飲む量が増え始めた
いっかいお酒で流し込んだり
二錠同時に飲んだりもした
つらくないっていってんのにこんなことするのよくわかんないね
自分で自分が把握できないし
感情だけなくなって自分が、自分の支配の及ばなくなった自分が遠くで勝手に歩き回ってるのをながめているような気分
離人症じゃないけども
レミングスってゲームのあの感じ
もう自分は自分ではないし
考える自分と感じる自分が分離したようなもの
感じる自分と行動ずる自分はレミングス
でもいまタイピングしてる自分とこれを思っている自分はどうやら一致しているようで
またわれ思うゆえにわれあり